チョウを探すときには、皆さんどんなところに赴くだろうか。
クロツバメシジミは文字通りシジミチョウの仲間で、 シジミチョウよろしく非常に小さい。 表がブルーのツバメシジミに対して、クロツバメシジミの表は、 名前の通り真っ黒である。それゆえ中々目立たない存在で、 昆虫に興味がなければまずスルーしてしまうだろう。
それでもチョウ好きには人気のチョウで、 わざわざクロツバメシジミを見るために、 遠征をするという方も珍しくない。 なぜ見逃してしまいそうな目立たないチョウがそんなに人気なのかといえば、 そもそも生息地が限られている珍しいチョウだからだ。
一風変わった場所を住処にしていると前述したが、 それはひとえに、クロツバメシジミの食草に要因がある。 クロツバメシジミはベンケイソウ科のツメレンゲやイワレンゲ等を 食草にしている。 ツメレンゲやイワレンゲ等は普通の地面には生えておらず、 岩場や石垣といったところに生えるという性質を持っている。
また、そうした食草のある場所から比較的離れることがないので、 よりピンポイントに生息している傾向にある。
そんな感じでかなり特殊な環境を住処とし、 珍しいクロツバメシジミだが、発生する時期自体は大体5月〜 11月と、かなり長い期間見られる。なので、 分布が限られてレア度が高いチョウではあるが、 見つけるチャンス自体は結構あるチョウだ。
また、長いこと飛んでいることが少なく、比較的すぐに止まるので、見つけさえすれば観察はしやすいチョウだと言えよう。
分布が限られているという点も、生活環境が特殊なので、逆にポイントを絞りやすかったりするというメリットもある。人気のチョウなので、生息地の情報も意外とググれば落ちていたりする。もしかしたら、あなたの住む地域にも生息地が存在しているかもしれない。
あなたもクロツバメシジミを探してみてはいかがだろうか。
【クロツバメシジミ】