日当たりの良い河川敷を散歩してたら1000000000%の確率で遭遇する蝶(すみません言いすぎました)
というより河川敷でなくてもとにかくいろんなところにいる。
この蝶がいなくなった時は、すなわちすべての蝶が絶滅したことを意味しているといっても過言ではないだろう。
しかもキタテハがハイブリットなのは、年がら年中成虫の姿が見られるところだ。
というのも成虫の姿のまま越冬するので、3月の暖かい日には、冬眠から目覚めた個体がひょっこりと顔を出す。そこからよっこらしょと繁殖活動を繰り返して、1年中どこでも見られる蝶の称号を手にするわけだ(ちなみに北海道での生息域は狭いので、道民の方はあまり見る機会がないかもしれない)
ちなみに夏型と秋型があり、秋型は全体的に色がオレンジがかって鮮やかになる。
そもそもなんでこんなにもたくさんいるのかというと、どこにでも生えているカナムグラという植物を食草にしているから。
カナムグラという植物はブタクサ等のように秋の花粉症の原因になるというが、スギ花粉症の私は秋に花粉で悩むことがないので、花粉症の人でも平気なこともあるようだ。
とにかくどこにでもいるので、飛んでいるのを見かけた時は「また君か」という感じではあるが、ヒョウモンチョウ等他の種類の可能性もあるので、一応は注視して姿を追うようにしている。(もっともキタテハもヒョウモンチョウと名乗ってもいい模様をしている気もする)
というのもなかなか俊敏に飛んでいるので、止まらないとなかなか種類がわからない。飛んでいるところをキタテハだと断定できる人はかなりの動体視力の持ち主であると言える(たまにフラフラ飛んでいるヤツもいるが)
ちょっと分類的な話をしておくとタテハチョウの仲間である。そしてタテハチョウの仲間といえば、羽の裏面は地味な木の葉のような模様をしている種類が多い。
キタテハも例に漏れず、裏面はなんとも地味な色合いをしている。
さすがにタテハチョウの代表格ともいえるだけに、この辺はしっかりとわきまえているようだ。
お食事の話をしていなかったが、これがまたいろいろな物を食するグルメな一面を持っている。花はもちろん樹液や腐った果実等、様々なものを食するところも、数が多い一因となっているのではないかと個人的には思っている。
特に秋に黄色い花を咲かせるセイタカアワダチソウがお好きなようで、秋に数が増えるのも、セイタカアワダチソウを味わいたいがためではないかと邪推している。
とにかくキタテハは日本における「THE タテハチョウ」
言うなれば、タテハチョウ科日本代表戦士なのだ。
日の丸を背負って日々草むらを飛んでいると考えると、なんとも感慨深いものがあるような気がしないでもない。
【キタテハ】
チョウ目タテハチョウ科タテハチョウ亜科
成虫は3月から11月頃にかけて出現。
前翅長22mm~34mm
北海道南西部から九州にかけて幅広く分布
農耕地や河川敷等でよく見られる
食草は主にカナムグラ
成虫で越冬するため、まれに冬の暖かい日に日光浴をしていることがある