もはや説明するまでもない日本を代表する蝶で、この蝶とアゲハチョウは日本人で知らない人はいないと言っても過言でないのではないか。
有名な「ちょうちょ ちょうちょ 菜の花に止まれ♪」のモデルはモンシロチョウでないかという説もあるらしい。
この蝶を探したいのであれば、近所の河川敷に行けば良い。春から秋まで長い間見られるので、是非とも探してみよう。
といった感じで紹介していたら記事が終わってしまうので、もう少し深掘りしていくことにしよう。
まずモンシロチョウに対して突っ込むべき点はその名前である。
紋が白い蝶という事でモンシロチョウという和名だが、モンシロチョウの紋は黒い。
なので正確にはモンクロチョウもしくはモンクロシロチョウが正しいことになる。(ちなみに昔は、きちんとモンクロシロチョウと呼んでいたんだとか)
しかしよくよく考えたら、モンクロチョウはなんか黒い蝶を想像させるし、モンクロシロチョウはなんともややこしい。モンシロチョウという和名はなんとも絶妙だと言えるのではないか。
また、キャベツを食草とすることも有名である。
英名は「キャベジバタフライ(cabbage butterfly)」といい、まさにキャベツと密接に関係していることがわかる。
余談だが昔、モンシロチョウの成虫がキャベツを食べると勘違いして、成虫にキャベツだけ与えて飼育した結果、死なせてしまったという同級生がいた。どこをどう間違えたらそう勘違いしてしまったのか。とにかく成虫はキャベツを食べないので注意していただきたい。
無論モンシロチョウは各種の花を訪れるわけだが、「菜の花に止まれ♪」の歌詞の通り、春の菜の花畑ではよく見かける。(ちなみに菜の花は食草でもあるので、モンシロチョウは親子共々菜の花にお世話になっているということになる)
しかし、「菜の花に飽いたら桜に止まれ♪」というのは異議ありである。というのも私はモンシロチョウが桜に止まったところを見たことがない。
というより、そもそも桜は蝶にそこまで人気な花ではないと感じている。
もっとも桜が咲く3月終わりから4月はじめは、冬が終わったばかりでそこまで蝶が多い時期ではないので、もし昆虫がもっとも活発な夏に桜が咲いていたら、結果は違っていたかもしれない。
モンシロチョウは一見すると、オスもメスも白であり、パッと見区別がつかないのだが、実は蝶の目には紫外線の影響でオスは黒っぽく見えているという。
ということは、人間がもし紫外線を捉えることができたとしたら、それこそモンシロチョウはモンクロチョウになっていたかもしれない。
しかし前々から疑問に思っていたが、こう言った○○にはこう見えているみたいなことはなぜわかるのか不思議である。虫の目線はその虫しか見れないので、もしかしたら全然違う見え方をしている可能性もあるような気がするのだが、真相はその虫のみぞ知るといったところだろうか。
少し脱線してしまったが、身近に存在するモンシロチョウも、改めて見てみると色々な不思議がある。それこそが昆虫の魅力であり、私が昆虫を追いかけている一因でもある。
そんな魅力に満ちた昆虫の世界に、モンシロチョウという入り口から踏み込んでみてはいかがだろうか。
【モンシロチョウ】
チョウ目シロチョウ科シロチョウ亜科
成虫は3月~11月頃にかけて出現
前翅長20mm~30mm
日本全国に分布
日当たりの良い草原やキャベツ畑等でよく見られる
食草はアブラナ科の各種
知らない人はいない、日本を代表する蝶だ。