カマキリというと、緑色の立派な者をイメージする方が多いだろう。
そんなカマキリの中で、全体が茶色で、なんだか小振りなカマキリがいる。それが今回紹介するコカマキリだ。
コカマキリは文字通りオオカマキリやチョウセンカマキリと言った他の代表的なカマキリに比べてだいぶ小さく、体も細く華奢な印象を受ける。
体色も褐色で地味な色をしているので、何かと目立たない存在と言えよう(まれに緑色の個体もいる。)
もちろんカマキリなので、食べ物はその他の生きた昆虫だ。
ちなみにカマキリは交尾しようとしたところ、オスがメスに食べられてしまうということがよくあるので、男たちにとっては中々ハードな世界である。
他のカマキリより小さく褐色なので、見分けるのは難しくないが、確実に見分けるためには鎌のところの模様を見てみよう。ベルギーの国旗のような模様があるので一目でコカマキリだとわかるだろう(ちなみにオオカマキリやチョウセンカマキリ等は褐色の者が存在するので、褐色=コカマキリと思っているといつかは間違える日が来るだろう)
卵は有名なオオカマキリの物と比べると明らかに細長く、壁面にペタッとくっつくように産み付けられる。石の間や木の隙間に産み付けられる事が多いため、ちょっと見つけにくい。
地上性が高いためか、河川敷の草地を飛び出して、道端を歩いているのを見かける。
私はよく、自転車で近所の河川敷に撮影に繰り出すのだが、そうするとコカマキリがひょっこり歩いていて、危うく轢きそうになることがしばしばある。
おいおい危ないぞと草地に戻してあげたりもするが、それでもまた出てくるので、何かまあ習性として避けられない性なのかなとも思う。
そんなコカマキリは自身の体格をよく理解していると言うかなんと言うか、危険が迫ると死んだふりをする事が多い。
体型も体型なので、他のカマキリと一緒に飼ったりすると、即刻食べられてしまったりするようであり、やや逆境の中で暮らしているのかもしれない。
また、これは私の個人的感覚に過ぎないが、中々好奇心旺盛な者が多いと感じる(というかカマキリ全体そんな感じがしている)
ある時なんかはカメラを構えると、レンズに向かってずんずん歩いてきて、レンズとにらめっこしていた。 もしかするとカメラに映った自分に興味を示しているのかもしれない。
故に、コカマキリは、数多の昆虫の中でもかなり撮影しやすい部類だと言える。否、近付きすぎるので逆に撮影しにくいこともある。
こちらに興味を示してくれて、体型も華奢な存在なので、なんとも可愛いのがコカマキリだ。
身近な草地や公園で見かけることも多いので、出会うチャンスも多い。
是非ともコカマキリを見つけて、その愛らしさに触れてみよう。
【コカマキリ】
カマキリ目カマキリ科
成虫は8月~11月にかけて出現
体長45mm~65mm
本州から九州にかけて分布
河川敷の草原や休耕地等に多く生息
昆虫等を捕食
褐色のこじんまりとしたカマキリ。まれに緑色の個体もいる。