昆虫散歩道

昆虫をあれこれ撮影してあれこれ語ります

シロオビノメイガ・・・草原に行けば大体いる案外身近なガ

文字通り白い帯模様が特徴的なガ。意外と身近な存在だ

近所の河川敷に行くと、モンシロチョウやモンキチョウ等のよく知られた代表的なチョウが舞っていたりする。では、河川敷を舞っている代表的なガというと、みなさんは何を思い浮かべるだろうか。昆虫に興味がない方からしたら、河川敷を舞うガなど気にしたこともないという方が多いかもしれない。私的観測でいくと、河川敷を代表するガは、今回紹介するシロオビノメイガだ。


和名の通り、白い帯模様が特徴的なので目に付くことも多いだろう。小さいガの割にははっきりとした模様である。

夏頃から出現し秋に発生の最盛期を迎える少し遅咲きのガと言えよう。
ガの仲間ではあるが昼行性で、普通に昼間草原に行けば見つけることができる(ちなみに夜灯火に来る性質もある)

飛翔力はそれほど高くないようで、草むらを掻き分けるとパタパタと飛び立ちすぐにどこかに止まる
しかし、案外と警戒心が強いのか、近付こうとすると逃げてしまうことが多いそれでもやっぱり近くには止まるので、撮影しようと思うと追っては飛ばれ追っては飛ばれを繰り返すことがよくある。

止まる時は葉の裏等に隠れるように止まることが多いのも特徴だ。そのため正面からの姿をなかなか拝めなかったりする。きっと恥ずかしがり屋さんなのだろう。うんうん。

止まる時は葉や草の裏に止まることが多い

そんなこんなで身近な所に普通に生息しているシロオビノメイガだが、こうなってくると少々厄介な問題が起こるのも常というもの。その問題とは何かと言うと、害虫問題である。

ガの仲間は幼虫が農作物を食い荒らしてしまう者が少なくないため、たびたび問題になっている場合がある。
シロオビノメイガの食草は、アカザ科ウリ科ヒユ科等幅広く、色んなものを食することがわかる。
中でもアカザ科であるほうれん草への食害は有名で、園芸の本やサイト等にたびたび名前が上がってくる常連さんである。昆虫好きな私からすると、こうした悪行で名が広まっているのはなんとも心苦しいものだが、それはあくまで第三者の立場だから言えることであって、当事者の方々はそうも綺麗事は言っていられないところであろう。

とまあ最後はなんとも言えない話になってしまったが、シロオビノメイガはかなり身近な草むらに存在しているので、少し目を凝らせばあなたの周りにも飛んでいることだろう。こうした一見目立たない小さな存在に目を向けることは、昆虫観察を面白くしてくれること請け合いである。
みなさんもシロオビノメイガを探して、身近なガの面白さに触れてはいかがだろうか。
 
【シロオビノメイガ】
鱗翅目ツトガ科ノメイガ亜科
成虫は6月~11月頃にかけて出現
開帳21mm~24mm
北海道から沖縄にかけて分布
河川敷等の草原に多く生息
食草はアカザ科やウリ科、ヒユ科植物
白いラインが特徴的なガ。草原でよく見られる身近な存在。