昆虫散歩道

昆虫をあれこれ撮影してあれこれ語ります

ショウリョウバッタ・・・圧倒的存在感を放つ日本最大級のバッタ

なんとも立派なショウリョウバッタ。目の前で飛び立つと結構ビビるよね

バッタは子どもたちの間でも結構人気があり、追いかけた思い出がある方も多いのではないだろうか。今回紹介するショウリョウバッタも代表的なバッタなので、中々馴染み深い存在であろう。

 

やはり最大の特徴はその細長い見た目だ。なんかちょっと刀のようなフォルムだが、なんとも言えない目のせいかかっこいいというよりは、ちょっと抜けているような感じがするのは私だけだろうか。まあそこがチャームポイントでもあるということだ。
幼虫も、羽がないだけでほぼ同じような見た目をしているので、すぐにショウリョウバッタだとわかるだろう。
オンブバッタとフォルムが似ているが、あまりにも大きさが違うので、さすがに間違えることはない。

幼虫。羽がなくてもフォルムは同じ

こちらはオンブバッタ。フォルムは似ていても全然小さい

名前の由来は旧暦のお盆の時期(精霊会)の頃によく見かけるようになる説や、その時期に流す精霊船に形が似ている等の説がある。まあ要するに旧暦のお盆が関係しているというわけだ。
ちなみに旧暦のお盆は7月13日~15日とされているので、ショウリョウバッタの成虫が現れ出す目安として押さえておこう。

 

日本のバッタの中では最大であり、実際目撃するとなんとも貫禄の姿といったところだ。しかし、その立派な大きさを誇るのはメスだけで、オスは下手したら半分くらいの大きさしかない。
人間は基本的に男性の方が大きいことが多いが、昆虫界ではオスの方が小さい種類はむしろザラなので、まあまあマストだと言えよう。

 

飛ぶときに「キチキチ」という音を立てるので、飛び立つとすぐにわかる。生息地の草むらを掻き分けると、あっちでキチキチこっちでキチキチ音が鳴るので、中々賑やかである。
その羽音から「キチキチバッタ」と呼ばれることもあり、私も実際子どもの頃はキチキチバッタと呼んでいた。
また、「コメツキバッタ」という異名も存在する。これは捕まえた際に体を上下に動かす様が米をついているように見えるから名付けられた
色々な呼び名があるのでこんがらがりそうであるが、紛れもなく同じ種類のバッタである。

 

基本は緑一色の体色だが、環境等によって様々な体色の個体が存在する。褐色の者や緑を基本に褐色のラインが入っている者等が存在するので、フィールドワークの際にはその辺りをよく観察すると面白い。

褐色のラインが入っている者

褐色の者。環境によって体色が変わるようだ

立派な体つきで草原に潜んでいるショウリョウバッタ。身近な所にも普通に生息しているので、河川敷の草むら等があれば生息している可能性は高い。
飛べば賑やかな音を立てるし、身近な昆虫として存在感はピカイチだ。
そんな存在感あるショウリョウバッタを、童心に帰って追いかけるのも中々乙なものである。

 

ショウリョウバッタ

バッタ目バッタ科

成虫は7月~11月頃にかけて出現

体長:オス45mm~52mm メス75mm~82mm

北海道から沖縄にかけて分布

河川敷等日当たりの良い草原に多く生息

様々な植物を食べる

日本最大級のバッタ。キチキチバッタやコメツキバッタの異名を持つ

 

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