昆虫散歩道

昆虫をあれこれ撮影してあれこれ語ります

ナナホシテントウ・・・王道をいくこやつに欠点はないのか?

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昆虫に興味がなくてもナナホシテントウは知っているだろう

苦手な人が多い昆虫の中でも、一般の人に広く受け入れられ、人気を博しているのがテントウムシだろう。
森の小さな教会でサンバに合わせて踊り出す事でもおなじみだ(古い)
そんなテントウムシの中でも最も知名度が高いのが、今回紹介するナナホシテントウだろう。

 

赤いベースに黒い丸が7つあるおなじみの模様は、小さいながらもよく目立ち、他の昆虫にはない美しさがある。
身近な所に生息しており、動きも速くなく、飛んでもすぐ近くに止まる事が多いので、子ども達が観察するのにも最適な昆虫である。
捕まえると死んだふりをするのもおなじみで、虫捕りをしたことがある方は、必ずと言っていいほど目にしたことがあるだろう。

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捕まえると足を引っ込めて死んだふり

そんなナナホシテントウは、春の暖かいの日に原っぱで飛んでいる姿を想像する人が多いかもしれないが、実際には春から秋までの長い間見ることができ、なんなら成虫で越冬するので、冬に見ることも可能である(ちなみに暑さが苦手なので、夏は基本的に活動を休止する事が多い)
かくいう私も1月の少し暖かい日に草の間で歩くナナホシテントウを見たことがあるので、機会があれば皆さんも探してみると良いだろう。

 

そんな人気を誇るナナホシテントウだが、成虫も幼虫も主食がアブラムシであるため、農家さんやガーデニング愛好者からしても頼もしい益虫ということになる。

 

ルックスも良くしかも人間の手助けもしているとなるとまったく非の打ち所のない昆虫である。
果たしてナナホシテントウにマイナス面はあるのだろうかと思った方もいらっしゃるだろうが、安心していただきたい。ナナホシテントウにもしっかりマイナス面がある

 

マイナス面1つ目は危険を感じると臭い液体を出す点である。
「え!?それってカメムシじゃないの?」という声が多々聞こえてきそうだが、実はナナホシテントウもそんな特殊能力を持っている。
実はテントウムシが派手な色をしているのはこの匂いを出すからと言われている。というのも、この匂いによって、テントウムシは天敵の鳥にとってはまずいらしく、ということは、テントウムシのような派手な色をしている場合、鳥は嫌がって食べないという道理らしい。いわゆる警告色というわけである。
派手な柄にそんな生存戦略があるとは、中々奥深い世界である。

 

そしてマイナス面2つ目は幼虫の姿だ。
かわいらしい成虫の姿からは想像も付かないようなキャタピラー感満載の容姿をしているので、「昆虫は苦手だけどテントウムシは大丈夫だわ!」という方々をもれなくドン引きさせることだろう
しかし改めて見てみると、これがあのかわいらしいテントウムシになるとはにわかには信じがたいが、個人的にはナナホシテントウの幼虫は黄色い模様もあって、割と好きな見た目である。

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これがテントウムシだなんて、私は信じないわ!!

まあそんなマイナス面もあるナナホシテントウだが、よく完璧な人間は近寄りがたいと言うように、ナナホシテントウもこれくらいの欠点があるからこそ愛らしいとも言えよう(こじつけがすぎるか)
当然私も大好きな昆虫である。
身近に存在するナナホシテントウは、昆虫観察を彩る重要な存在なのだ。

 

ナナホシテントウ

甲虫目テントウムシ

成虫は主に3月~11月にかけて出現。冬の暖かい日に活動することもある

体長8mm前後

北海道から八重山諸島にかけて分布

河川敷の草原等日当たりの良い場所に多く生息

アブラムシを食べる

日本でおなじみのテントウムシ。アブラムシを食べる益虫としても知られる

 

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