昆虫散歩道

昆虫をあれこれ撮影してあれこれ語ります

ラミーカミキリ・・・美しい水色と個性豊かにあしらう黒色の模様

ライトブルーが美しいラミーカミキリ。小型のカミキリムシだ

昆虫には当然和名というものが付けられており、各々生態なり見た目なりの特徴を表現した名前が付けられている。そして、和名には基本的に漢字が当てられているものだが、漢字がない和名を付けられた者も存在したりする。ラミーカミキリはそんな昆虫の1種だ。

 

そもそも、ラミーとはなんぞやというところだが、イラクサ科の植物の1種で、要するにラミーカミキリラミーを食べるからラミーカミキリという名が付けられたわけである。昔富士通のパソコンに入っていた「ラミィの大冒険」とは関係ないので間違えないように(誰も間違えねえよ)

 

水色を基盤として黒の模様が入っており、とても美しい
体長は大きくとも2cm弱とかなり小型で、飛んでいるところはなんだかハチを思わせる
小型だからか身軽なようで飛ぶ頻度は高く、近付くとそそくさと飛んで逃げてしまうことが多い。

 

模様には結構個体差があり、小さいカミキリムシなので目を凝らさないといけないが、各々の違いを楽しむのも中々面白い。

模様には個体差がある。これを楽しむのもまた一興

カミキリムシというと木に穴を空けて産卵し、その木の中で幼虫が育つ事でお馴染みだが、ラミーカミキリイラクサ科のカラムシ等の茎の中で育つ
故にそうした植物に依存して育つのか、カラムシの群落ではかなりの数が見られるが、そうでない所では中々見かけないような印象がある。

 

実は幕末の頃日本にやってきた外来種であるとされている。これはどうやら、繊維の原料となるラミーを輸入した際に移入してきたようである。
また、元々温暖な地域を生息域としているので、寒い地域には生息していない(具体的には冬季の平均気温が4℃の地域が北限のようである)
昔の図鑑では西日本にしかいないという記載がされているものも見かけたが、現在は私が住んでいる埼玉県でも普通に見られるようになっている
皆さんお察しの通り、近年の温暖化の影響で分布を北へと拡大させており、東北地方でも目撃例があるようである

 

超個人的な話ではあるが、ラミーカミキリは子どもの頃かなり印象に残っていたカミキリムシである。それは前述のように和名にラミーと名付けられており、図鑑の中でも明らかに異彩を放っていたからだ。
子どもの頃はまだ関東に生息していなかったのか、実物を見たことはなかったが、とにかくラミーってなんだよ!とツッコんでいたのを覚えている。
そして、大人になってはじめてラミーカミキリを見たときに感じたのは「ちっせえ!!!」だった。
和名とカミキリムシという印象だけで、まあまあゴツい種類を想像してしまっていた私が悪い話であるが、それにしても小さくて、なんだか拍子抜けしてしまったわけだ。
ツマグロオオヨコバイの記事でも言及したが、どうも私は図鑑と実物のギャップにショックを受けやすい体質のようである。

 

そんな小さなラミーカミキリだが、美しいカラーリングで我々を楽しませてくれる存在であることに間違いはない。
最近は関東でも見られるようになって、埼玉在住の私でも身近な存在になってきている。
ラミーカミキリを探して、思い思いの装飾を楽しんでみてはいかがだろうか。

 

ラミーカミキリ

甲虫目カミキリムシ科フトカミキリ亜科

成虫は5月~7月頃にかけて出現

体長8mm~17mm

本州から九州にかけて分布

雑木林やその林縁の草地に多く生息

幼虫はラミーやカラムシ等の茎等を食べる

水色が美しいカミキリムシ。幕末頃日本にやってきた外来種とされている。

 

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