昆虫散歩道

昆虫をあれこれ撮影してあれこれ語ります

ジャノメチョウ・・・夏の草原をふわふわ飛ぶモデルケース

ジャノメチョウ。こげ茶で地味な存在

目玉模様が特徴的なチョウといえばやはりジャノメチョウだ。ジャノメチョウには様々な種類が存在するわけだが、今回ご紹介するのは文字通りジャノメチョウである。こう書くと少々ややこしいが、要するにジャノメチョウの仲間のジャノメチョウを紹介するということである(この記事ではわかりやすくするために、ここからはナミジャノメ呼びにする

数多のジャノメチョウの仲間の基準となるチョウというわけだが、その名に違わず各地に広く生息しており、個体数も多いと言いつつ都市部近郊では少なく、見るには少々山の方に行った方がいい)
イネ科やカヤツリグサ科の植物を食草としておりこれもジャノメチョウの基準を作っている感がビシビシ感じられるほとんどのジャノメチョウの仲間がイネ科やカヤツリグサ科を食草としている)
特に拓けた草原を好み、河川周辺や高原等に行くと、多くのナミジャノメが飛び交う姿を確認できるだろう。
草原を主戦場にしているチョウらしく各種花をよく訪れる他、獣糞や吸水等に訪れることもある

メスはオスに比べて色が淡くなる傾向にある。ただし、オスの色に近いメスも存在するので、その辺りの見極めは注意しないといけない。

オスはまあまあこげ茶

メスは色が淡くなる傾向にある

ジャノメチョウの仲間としてはまあまあ大柄な方で、ふわふわゆったりと飛んでいる事が多いので、かなり存在感がある。
そんな存在感を感じさせる一方で、ジャノメチョウのアイデンティティともいえる目玉模様は、かなり控え目な印象を受ける他のジャノメチョウたちがふんだんに目玉模様を散りばめているのとは対照的だ。色も茶色一色で目立つ模様もないために、かなり地味な印象を受ける。ジャノメチョウの仲間はガと間違われる事が多かったりするのだが、基準となるナミジャノメがこんな感じなので、ある種必然なのかもしれない。

こちらはヒメジャノメ。目玉模様が明らかに多い

という感じで、なんとも言えない地味な羽と、どこでも生息している普通種であるところから、チョウ好きの中では正直人気はない。また、割と身近な存在であるにも関わらず、アゲハやモンシロチョウのような一般的な知名度もほとんどない、なんとも不遇なチョウだ。

そんなナミジャノメは大体7月頃から発生する。すなわちナミジャノメが草原を飛び交う姿を見たときは、いよいよ夏本番を迎えるという事だ。夏は多くのチョウが最盛期を迎えるので、ナミジャノメはそんな最盛期を知らせる存在だといえよう。
みなさんもナミジャノメを探して、夏本番を実感してみてはいかがだろうか。

 

【ジャノメチョウ】

チョウ目タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科

成虫は7月~9月頃にかけて出現

前翅長28mm~42mm

北海道から九州にかけて分布

拓けた草原等に多く生息

食草はイネ科やカヤツリグサ科の各種

ジャノメチョウの基準となるチョウ。夏の草原をふわふわと飛ぶ。

 

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